中小企業の採用における差別化戦略

中小企業の採用における差別化戦略

近年、中小企業においては、大企業との競争が激しい中で、優秀な人材を確保するための戦略が重要となっています。ここでは、マイナビ転職情報事業本部による2017年『採用辞退に関する実態調査』に基づいて、中小企業が実施可能な新卒採用の戦略を解説します。

目次

1,中小企業の採用戦略

2,具体的な手法

3,選考や内定辞退をさける戦略

4,まとめ

1. 中小企業の採用戦略

〇採用ブランディング

中小企業にとって、採用ブランディングの重要性は年々高まっています。市場競争が激化する中、優秀な人材の確保は企業の成長に不可欠だからです。 採用ブランディングは、中小企業が大手企業と差別化を図る強力な武器となります。
例えば、社員一人ひとりの声を活かした採用サイトの制作や、地域密着型の企業文化の発信など、独自の魅力を効果的に伝えることで、求職者の心を掴むことができるのです。 さらに、適切な採用ブランディングは、応募者の質の向上にも繋がります。

採用ブランディングの際には、ブース装飾も効果的ですので使用を検討してみてください。

合説ブース装飾 のぼり

2. 具体的な手法

〇リファラル採用(従業員からの紹介)

リファラル採用はコスト効率が高く、中小企業にとって非常に有益な採用手法です。既存社員からの紹介であるため、職場環境や業務内容に合った人材を効率的に見つけることができます。またメリットとして、採用の質・スピード・定着率の向上が期待できます。

(事例)Ubie株式会社は、「テクノロジーで世界中の人々を適切な医療に案内する」というミッションを掲げるヘルステックのスタートアップ企業。専門人事を置かず、全メンバーが採用にコミットする珍しい採用体制をとっています。 上記の施策により、現在では内定者の7割以上がリファラル経由となっています。

〇採用広報のアウトソーシング

外注によるスピード感のある構築 ホームページのリニューアルやSNSの構築には専門知識が必要であり、自社で対応するには時間と負荷がかかります。こうした課題は、外注することでスピード感をもって解決できます。
自社担当者による更新と発信 システム構築を業者に依頼した後、情報の更新や発信は自社の担当者が行う必要があります。熱意を持ち、最新の情報を根気強く発信し続けることで、求職者に対する訴求力を高めることができます。

〇Wantedlyの活用

Wantedlyは、企業が掲げる「想い」への共感を通じて、条件だけでは動かない優秀な人材にアプローチできるビジネスSNSです。条件や知名度、採用予算に左右されない採用媒体として30,000社以上の企業が登録しています。

(事例)株式会社Daiは京都に本社を構え、BtoBの受発注業務をIT化するクラウド型ECプラットフォーム「Bカート」の開発・運営で流通業界にイノベーションを起こしている企業です。
以前はハローワークに求人を掲載していましたが、スキルや適性でマッチする人材になかなか出会えない課題を抱えていました。現在では、自社が求めるスキルセットをもつ求職者に、事業内容や理念を積極的に発信した結果、自社の理念に共感する応募者と出会うことができ、現在は重要なポジションで活躍しています。

Wantedlyに関して詳しくはコチラ https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/smb_problem/

3. 選考や内定辞退をさける戦略

〇選考における気配り

・キャリアパスの明示

中小企業で働くことでどのようなスキルを身につけられるのか、どのようなキャリアが描けるのかを具体的に示しましょう。例として、“3年で部門長への昇進の可能性”や、“社外課程の費用を全額補助”など、キャリアアップ支援を積極的に伝えることが重要です。

・選考フローの短縮

調査では、「選考期間が長すぎる」との声が選考辞退の理由として多く挙げられています。中小企業は意思決定プロセスが迅速である点を強みとし、一次面接と最終面接を1週間以内に完了させるなど、スピーディーな選考プロセスを設計しましょう。

・フィードバックの迅速化

面接後に迅速にフィードバックを行い、求職者に関心を持っていることを示すことが重要です。特に中小企業では、面接時に採用担当者が直接候補者に強みや期待する役割を伝えることで、信頼感を高めることができます。
例: “申請書を配見した際に、田中さんの調整力が強く感じられました。これは、異業種間のプロジェクトに大きな助力になると確信しております。”

・定期的なフォローアップ

中小企業ならではの細やかな対応を活かし、進捗状況や選考の次のステップについて早めに共有しましょう。例えば、電話やメールで選考の進行状況を伝えるだけでも、求職者に安心感を与え、他社への傾倒を防ぐことができます。

〇内定後のサポート体制を整える

・内定者フォローアッププログラム

内定後の辞退を防ぐため、少人数制の座談会や職場見学会などを実施しましょう。中小企業であれば、経営者や部門長が直接参加することで、求職者に安心感と特別感を与えることができます。

・メンター制度の導入

入社前からメンターを割り当て、求職者が不安を相談できる環境を整備します。これにより、入社意欲を高めるだけでなく、企業文化へのスムーズな適応も促進されます。
内定者フォローアッププログラム

4,まとめ

中小企業が大企業との競争に打ち勝ち、優秀な人材を確保するためには、自社の独自性を活かした採用戦略が不可欠です。採用ブランディングを強化し、リファラル採用や外部サービスを効果的に活用することで、採用の質を向上させることが可能です。また、迅速かつ丁寧な選考プロセスや内定後のフォロー体制を整えることで、求職者の満足度を高め、内定辞退を防ぐことができます。
中小企業ならではの柔軟性と細やかな対応を活かし、自社の魅力を最大限に伝えることで、求職者との信頼関係を構築し、長期的な成長につなげていきましょう。