【採用戦略vol2】ジオグラフィック・デモグラフィック・サイコグラフィック分析の完全攻略ガイド

サイコグラフィック分析の画像

【採用戦略vol2】ジオグラフィック・デモグラフィック・サイコグラフィック分析の完全攻略ガイド

前回は、採用したい求職者・学生のターゲット設定についてお話しました。今回は、そのターゲットを具体的に絞り込む方法について、3つの切り口「ジオグラフィック(地理的変数)」「デモグラフィック(人口統計分布)」「サイコグラフィック(心理的変数)」に焦点を当てて詳しく解説します。

 

目次

採用戦略におけるジオグラフィック分析の方法とノウハウ
ジオグラフィック分析のノウハウまとめ
採用戦略におけるデモグラフィック分析の方法とノウハウト
デモグラフィック分析のノウハウまとめ
採用戦略におけるサイコグラフィック分析の方法とノウハウ
サイコグラフィック分析のノウハウまとめ
実際の分析方法
Aさんの分析例
ターゲティングの注意点

採用戦略におけるジオグラフィック分析の方法とノウハウ

ジオグラフィック分析は、採用戦略の重要な一部であり、求職者の居住地や通勤範囲に基づいてターゲットを絞り込む方法です。このセクションでは、具体的な方法と数字を使ったノウハウを解説します。

1. データ収集

まずは、必要なデータを収集します。具体的には、現在の社員の居住地データ、通勤時間、地域の人口統計データなどが必要です。

  • 社員の居住地データ:現在の社員がどこに住んでいるかを把握します。例えば、会社からの距離や通勤時間を調査します。
  • 地域の人口統計データ:地域の人口密度、労働力人口、平均年収などを収集します。

 

2. 通勤時間の分析

求職者の通勤時間を分析し、最適な通勤範囲を特定します。例えば、以下のようなデータを活用します。

  • 通勤時間の平均値:現在の社員の通勤時間の平均を算出します。例えば、平均通勤時間が30分以内の場合、その範囲内に住む求職者をターゲットにします。
  • 通勤時間の分布:通勤時間が15分以内、30分以内、45分以内、1時間以内など、異なる時間範囲での社員の割合を調べます。

具体例:

  • 平均通勤時間:25分
  • 通勤時間15分以内:30%
  • 通勤時間30分以内:60%
  • 通勤時間45分以内:80%
  • 通勤時間60分以内:90%

 

3. 地理的分布の可視化

社員の居住地を地図上で可視化し、居住が集中しているエリアや通勤しやすいエリアを特定します。これにより、採用活動のターゲットエリアを絞り込むことができます。

  • ヒートマップ:社員の居住地をヒートマップで表示し、どのエリアに多くの社員が住んでいるかを視覚化します。
  • 通勤ゾーン:会社を中心にして、15分、30分、45分、60分の通勤ゾーンを地図上に表示します。

 

4. ターゲットエリアの設定

地理的分布の可視化結果を基に、採用活動のターゲットエリアを設定します。例えば、以下のようにターゲットエリアを決定します。

  • 主要ターゲットエリア:通勤時間30分以内のエリア(社員の60%がこの範囲内に住んでいる)
  • 補助ターゲットエリア:通勤時間45分以内のエリア(社員の80%がこの範囲内に住んでいる)

 

5. 地域別採用キャンペーンの実施

設定したターゲットエリアに基づいて、地域別の採用キャンペーンを実施します。

  • 地域特化型広告:地元の新聞、ラジオ、オンライン掲示板など、地域特化型のメディアを活用して求人広告を掲載します。
  • 地域イベントの参加:ターゲットエリア内で開催されるキャリアフェアや地域イベントに積極的に参加し、企業の認知度を高めます。

 

6. 効果測定と調整

採用活動の効果を定期的に測定し、必要に応じて戦略を調整します。

  • 応募者の居住地分析:応募者の居住地を分析し、ターゲットエリアからの応募が増えているかを確認します。
  • 採用成功率:ターゲットエリアからの応募者の採用成功率を測定し、戦略の有効性を評価します。

具体例:

  • 応募者の居住地データ:ターゲットエリア内からの応募者が70%
  • 採用成功率:ターゲットエリア内からの応募者の採用成功率が50%

 

ジオグラフィック分析のノウハウまとめ

ジオグラフィック分析を活用した採用戦略は、データに基づいて求職者の居住地や通勤範囲を特定し、効率的に優秀な人材を採用するために重要です。通勤時間の分析、地理的分布の可視化、ターゲットエリアの設定、地域別採用キャンペーンの実施、効果測定と調整を通じて、効果的な採用活動を実現しましょう。

ジオグラフィック分析

採用戦略におけるデモグラフィック分析の方法とノウハウ

デモグラフィック分析は、求職者の人口統計データを活用してターゲットを絞り込む方法です。このセクションでは、具体的な方法と数字を使ったノウハウを解説します。

1. データ収集

まずは、必要なデモグラフィックデータを収集します。以下の項目を収集することが一般的です:

  • 学歴:最終学歴、専攻
  • 年齢:年齢層(例えば20代、30代など)
  • 性別:一般的なデータとして参考
  • 家庭状況:既婚・未婚、子供の有無
  • 職歴:過去の職務経験や職歴

 

2. 学歴分析

学歴は採用戦略において重要な要素です。以下のデータを分析します:

  • 最終学歴:大学卒、大学院卒、高校卒など
  • 専攻:理工系、文系、経済系など

 

具体例:

  • 大学卒:70%
  • 大学院卒:20%
  • 高校卒:10%
  • 理工系専攻:40%
  • 文系専攻:30%
  • 経済系専攻:30%

 

3. 年齢層分析

年齢層ごとの分布を分析し、ターゲット年齢層を特定します。

具体例:

  • 20代:30%
  • 30代:50%
  • 40代:15%
  • 50代以上:5%

 

4. 性別分析

性別に関するデータも参考にしますが、採用基準にすることはできません。一般的なデータとして認識します。

具体例:

  • 男性:60%
  • 女性:40%

 

5. 家庭状況分析

家庭状況も重要なデモグラフィック要素です。既婚・未婚や子供の有無を分析します。

具体例:

  • 既婚:50%
  • 未婚:40%
  • 子供あり:30%
  • 子供なし:70%

 

6. 職歴分析

職務経験や職歴を分析し、どのような経験を持つ人が理想的かを特定します。

具体例:

  • 5年以上の職務経験:40%
  • 10年以上の職務経験:20%
  • 管理職経験あり:25%
  • 専門職(エンジニア、CFOなど):15%

 

7. 理想的な求職者像の作成

収集したデータを基に、理想的な求職者像を作成します。これにより、ターゲットとする求職者の具体像が明確になります。

具体例:

  • 学歴:大学卒、理工系専攻
  • 年齢:30代
  • 性別:一般的なデータとして参考
  • 家庭状況:既婚、子供あり
  • 職歴:5年以上の職務経験、管理職経験あり

 

8. ターゲットプロファイルの設定

理想的な求職者像に基づいて、ターゲットプロファイルを設定します。このプロファイルを基に採用活動を行います。

具体例:

  • ターゲットプロファイル:30代の大学卒(理工系専攻)、5年以上の職務経験、管理職経験あり、既婚で子供あり

 

9. デモグラフィック特化型採用キャンペーンの実施

設定したターゲットプロファイルに基づき、デモグラフィック特化型の採用キャンペーンを実施します。

  • 大学との連携:ターゲットとする学歴や専攻を持つ大学と連携し、求人情報を提供します。
  • キャリアフェアの参加:ターゲット年齢層や職歴を持つ求職者が多く集まるキャリアフェアに参加します。
  • オンライン求人広告:ターゲットとするデモグラフィック層にリーチするオンライン求人広告を掲載します。

 

10. 効果測定と調整

採用活動の効果を定期的に測定し、必要に応じて戦略を調整します。

具体例:

  • 応募者データ分析:応募者のデモグラフィックデータを分析し、ターゲットプロファイルに合致する応募者が増えているかを確認します。
  • 採用成功率:ターゲットプロファイルに合致する応募者の採用成功率を測定し、戦略の有効性を評価します。

具体例:

  • 応募者の学歴データ:大学卒(理工系専攻)が80%
  • 応募者の年齢データ:30代が60%
  • 採用成功率:ターゲットプロファイルに合致する応募者の採用成功率が70%

 

デモグラフィック分析のノウハウまとめ

デモグラフィック分析を活用した採用戦略は、求職者の人口統計データに基づいてターゲットを絞り込むために重要です。学歴、年齢、性別、家庭状況、職歴のデータを収集・分析し、理想的な求職者像を作成することで、効率的に優秀な人材を採用することが可能です。次回は、ターゲティングが決まった後の具体的な採用戦略についてお話しします。

 

採用戦略におけるサイコグラフィック分析の方法とノウハウ

サイコグラフィック分析は、求職者のライフスタイル、価値観、性格などの心理的特徴を基にターゲットを絞り込む方法です。このセクションでは、具体的な方法と数字を使ったノウハウを解説します。

1. データ収集

まず、必要なサイコグラフィックデータを収集します。具体的には、以下の項目を収集します:

  • ライフスタイル:趣味、興味、日常の活動
  • 性格特性:社交性、リーダーシップ、協調性など
  • 価値観:仕事に対する価値観、モチベーション、目標

 

2. 社員アンケートの実施

現在の社員にアンケートを実施し、サイコグラフィックデータを収集します。特に、優秀な社員をターゲットにして詳細なデータを取得します。

具体例:

  • ライフスタイル:75%がアウトドア活動を好む、60%が読書好き
  • 性格特性:80%が社交的、70%がリーダーシップを持つ
  • 価値観:90%がチームワークを重視、85%が挑戦心が強い

 

3. データ分析

収集したデータを分析し、共通のサイコグラフィック特性を特定します。これにより、理想的な求職者の心理的プロファイルを作成します。

具体例:

  • ライフスタイル:アウトドア活動(75%)、読書(60%)
  • 性格特性:社交的(80%)、リーダーシップ(70%)
  • 価値観:チームワーク重視(90%)、挑戦心(85%)

 

4. 理想的な求職者像の作成

分析結果を基に、理想的な求職者像を作成します。これにより、ターゲットとする求職者の具体像が明確になります。

具体例:

  • ライフスタイル:アウトドア活動を好む、読書好き
  • 性格特性:社交的でリーダーシップを持つ
  • 価値観:チームワークを重視し、挑戦心が強い

 

5. ターゲットプロファイルの設定

理想的な求職者像に基づいて、ターゲットプロファイルを設定します。このプロファイルを基に採用活動を行います。

具体例:

  • ターゲットプロファイル:アウトドア活動を好み、読書好きで、社交的なリーダーシップを持ち、チームワークを重視し挑戦心が強い人

 

6. サイコグラフィック特化型採用キャンペーンの実施

設定したターゲットプロファイルに基づき、サイコグラフィック特化型の採用キャンペーンを実施します。

  • 趣味や興味に基づく広告:アウトドア活動や読書関連のイベントやグループに求人広告を掲載します。
  • 性格特性をアピールする求人情報:求人情報で求める性格特性(社交性、リーダーシップ)を強調します。
  • 価値観に共感する内容:チームワークや挑戦心を重視する企業文化をアピールします。

 

7. 効果測定と調整

採用活動の効果を定期的に測定し、必要に応じて戦略を調整します。

具体例:

  • 応募者のサイコグラフィックデータ:応募者の趣味、性格特性、価値観を分析し、ターゲットプロファイルに合致するかを確認します。
  • 採用成功率:ターゲットプロファイルに合致する応募者の採用成功率を測定し、戦略の有効性を評価します。

具体例:

  • 応募者のライフスタイルデータ:アウトドア活動を好む(70%)、読書好き(65%)
  • 応募者の性格特性データ:社交的(75%)、リーダーシップ(68%)
  • 採用成功率:ターゲットプロファイルに合致する応募者の採用成功率が75%

 

サイコグラフィック分析のノウハウまとめ

サイコグラフィック分析を活用した採用戦略は、求職者のライフスタイル、性格、価値観に基づいてターゲットを絞り込むために重要です。社員アンケートの実施、データ分析、理想的な求職者像の作成、ターゲットプロファイルの設定、サイコグラフィック特化型採用キャンペーンの実施、効果測定と調整を通じて、効率的に優秀な人材を採用することが可能です。次回は、ターゲティングが決まった後の具体的な採用戦略についてお話しします。

 

サイコグラフィック分析の画像

 

実際の分析方法

一見すると複雑そうなこれらの分析ですが、実は難しくありません。まず、現在の優秀な社員を「お客様でいうところの既存客」として分析することから始めます。その社員の中でも特に優秀な人材を例に取り、上記の変数に当てはめていきます。

例えば、Aさんという社員がいるとします。以下のように分析できます

 

採用戦略の分析デモグラフィック分析

Aさんの分析例

ジオグラフィック(地理的変数)

  • 事務所から10分以内の徒歩圏内に住んでいる。

 

デモグラフィック(人口統計分布)

  • 女性である。
  • 30代前半。
  • 結婚していて子供が1名。
  • 京都大学卒業、経済学部専攻。
  • 毎月読書10冊。

 

サイコグラフィック(心理的変数)

  • 山登りが好き。
  • 笑顔が素敵で、人の面倒を見るのが好き。
  • 批判しない性格。
  • 仲間と仕事するのが好き。

 

このように、優秀な社員を詳細に分析することで、自社で活躍する理想の社員像が浮かび上がります。上位2割の優秀な社員、または最低3名を分析することで、より具体的な理想像を描くことができます。

 

 

採用戦略分析の図

ターゲティングの注意点

ただし、注意が必要なのは、自社の事業戦略上、特定の専門職(エンジニア、CFOなど)を強化したい場合には、これらの分析に限定せず、専門スキルや経験を重視する必要があります。

 

さらに、逆に下位2割や早期退職者も分析すると、「自社で採用しなくて良い社員」の特徴が見えてきます。これにより、今後の採用活動で避けるべきポイントが明確になります。

 

次回も採用戦略についてお話しします。

【採用戦略vol3】自社の強みを見つけ、求職者に伝える方法

 


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