2019年11月5日 26卒の新卒採用動向について
26卒の新卒採用市場は、これまで以上に厳しい状況が予想されています。売り手市場の継続により、多くの企業が採用活動の難易度が上昇すると見込んでおり、特に母集団形成が大きな課題となるでしょう。また、採用活動の早期化も顕著であり、企業は早い段階から学生との接点を持つことが求められています。学生側でも就職活動の開始時期が年々早まっており、企業はより戦略的かつ柔軟な対応が必要です。この記事では、26卒の新卒採用における難易度の上昇、早期化する採用活動、そしてそれに対する企業の対応について詳しく解説します。
目次
1. 採用難易度の上昇
2. 採用活動の早期化
3. 学生の動向
4. 企業の対応
まとめ
1. 採用難易度の上昇
企業の多くが、26卒の採用において大きな困難が生じることを予想しています。具体的には、企業の約8割が「26卒の採用は難しくなる」と考えており、その背景には継続する売り手市場が存在します。売り手市場が続くことで、優秀な人材を確保するための競争が激化し、結果として母集団形成が非常に難しくなることが予測されています。このような市場環境では、従来の採用活動だけでは十分な結果を得るのは難しく、企業側にはより戦略的かつ効果的な採用計画が求められます。競争の激化に備え、各企業はターゲットとする学生に対して自社の魅力を伝える手法を一層強化し、採用活動の効率化を図る必要があります。
HRプロより抜粋
また、採用難易度の上昇により、企業は従来の方法に固執せず、新たな採用手法の導入や、採用プロセス全体の見直しを迫られています。例えば、インターンシップの活用や、早期のエンゲージメント活動を通じて、学生との接点を早期に確保することが重要なポイントとなってきています。こうした動きが今後ますます加速することで、採用活動全体がより複雑化・多様化していくことが予想されます。
2. 採用活動の早期化
26卒の採用活動では、特に早期化が顕著になると予想されています。多くの企業が「採用活動はさらに早期化する」と考えており、具体的には企業の約9割がこの傾向に同意しています。内々定の出し始めの時期として、特に「2025年1月・2月」を見込む企業が多いことが特徴的です。この動きにより、従来の採用サイクルよりも早い段階で学生が企業との接触を開始し、採用活動が実質的に3年生の時点で活発化することが予測されています。
実際、2025年1月や2月に内々定を出すということは、企業がそれ以前からインターンシップや説明会を通じて早期に学生と接点を持ち、その中から優秀な人材を選別し、アプローチしていく必要があります。これにより、3年生の3月末時点で、すでに半数以上の学生が内々定を受けている状況が一般的になる可能性があります。(人事の図書館より抜粋)こうした早期の内々定出しが標準化することで、企業は自社の選考プロセスを再度見直し、より迅速かつ効果的な対応が求められるでしょう。
3. 学生の動向
学生の就職活動は、ますます早期化の傾向を強めています。最近の調査によると、約4割弱の学生が大学1・2年生の頃からすでに就職活動に向けた情報収集を始めているというデータがあります。これにより、企業は採用活動を通じて早い段階で学生にアプローチする必要性が高まっています。特に、インターンシップや企業説明会などの機会を活用して、学生に対して自社の魅力を早期に伝えることが重要です。
また、学生が早期に就職活動を始めることで、彼らの意識や価値観も変わってきています。例えば、企業に対する期待や志向が多様化しており、単に「安定」や「給与」だけでなく、働き方や企業の社会的責任(CSR)、職場の環境、自己成長の機会など、さまざまな要素が選択基準となっています。そのため、企業は学生のニーズを的確に捉え、彼らの価値観に合った魅力的な採用プランを提供する必要があります。
4. 企業の対応
26卒の採用に向けて、多くの企業がすでに対応策を講じ始めています。特に、インターンシップを通じた早期の接点確保が非常に重要視されており、学生が企業に対して最も志望意欲の高いタイミングで内々定を出すことが効果的であるとされています。インターンシップを実施することによって、学生は企業の文化や業務内容に触れる機会が増え、志望意欲が高まると同時に企業も学生の適性を見極めることができます。
さらに、企業は早期化する学生の就職活動に対応するため、選考プロセスをスピーディーに進める体制を整えています。選考期間が長引くと、他社に学生を取られてしまう可能性が高まるため、迅速に内々定を提示することが求められます。また、学生が企業を選ぶ際に重視する要素が多様化しているため、企業は単に待遇面だけでなく、働き方や成長機会の提供、社内の雰囲気や社員との交流など、さまざまな魅力をアピールすることが必要です。
まとめ
26卒の新卒採用においては、採用難易度の上昇と採用活動の早期化が一層顕著になると予想されています。企業は、このような厳しい状況下で成功するためには、早期から学生との接点を持ち、適切なタイミングでの内々定出しを行うことが重要です。また、学生の価値観やニーズの変化に対応しながら、効果的な採用戦略を立てることで、優秀な人材を確保することができるでしょう。