2022年9月1日 失敗しない3つの採用基準
ブラック企業の話題が注目される一方で、組織に悪影響を与える「ブラック社員」の存在にも目を向けるべきです。企業を成長させるためには、「ホワイト企業」としての環境づくりだけでなく、「ホワイト社員」を見極めて採用することが欠かせません。
この記事では、「成功する採用基準」について詳しく解説します。特に採用における重要な要素を深掘りし、企業が目指すべき人材像を明確化します。
採用8割育成2割
「採用と育成、どちらに重点を置くべきか」という議論において、私たちが提案するのは「採用8割、育成2割」という考え方です。
ここでのポイントは「育成を軽視する」という意味ではなく、「最初の採用段階で質の高い人材を確保することが、育成以上に重要」という視点を持つことです。
なぜ採用が重要なのか?
人の資質や素質は、短期間で劇的に変えることが難しいものです。例えば、オリンピック選手やNBAで活躍する選手の多くは、幼少期から環境や親の影響を受けて成長しています。同じように、社員の価値観や行動様式も長年の積み重ねで形成されています。そのため、入社後に全てを育成で補おうとするのは非効率的です。
採用時に、素直で前向きな人材を見極めることで、育成コストを最小限に抑えながら、より効果的な人材育成が可能になります。
誰をバスに乗せるか?
ジム・コリンズ著「ビジョナリーカンパニー②」の中で、「適切な人をバスに乗せる」という重要な概念が述べられています。この考え方は、企業の成長において採用がいかに重要かを端的に示しています。
具体的なステップ
-
適切な人をバスに乗せる
採用段階で「自社にフィットする人材」を確保することが、企業成長のスタート地点です。
-
不適切な人を降ろす
すでに組織にいる「企業文化に合わない人材」についても、適切な評価と対応が必要です。
-
バスの目的地を決める
採用後に企業のPurpose(存在意義)やVision(成長戦略)を明確化し、それに向かって進む計画を立てます。
このように「誰と働くか」を採用段階で見極めることが、成長企業の礎となります。
自社の企業文化と優秀な人はどちらが重要か?
「優秀な人材を採用したい」というのは、すべての企業に共通する願いですが、優秀さだけを求めるのではなく、自社の企業文化にフィットするかどうかを重視すべきです。
理由:
- 企業文化に合わない人材は、組織の和を乱し、最終的には企業の成長を妨げます。
- 優秀でなくても文化に合う人材は、長期的に見て企業にとってプラスの影響を与えます。
採用時の判断基準:
- 優秀で文化に合う → 積極的に採用し、育成を強化。
- 優秀ではないが文化に合う → 長期的に成長する可能性を見込んで採用。
- 優秀だが文化に合わない → トラブルの火種になりやすいため採用見送り。
- 優秀でなく文化にも合わない → 採用してはいけない。
失敗しない3つの採用基準
採用基準1: 他責思考の人は採用しない
面接中に「過去の失敗」を他人のせいにする発言が多い場合、その人は成長しにくい可能性が高いです。他責思考の人材は、自分の行動を見直すことができず、結果として組織にも悪影響を及ぼします。
採用基準2: 起業志向の人は注意が必要
将来の独立を公言する人材は、数年以内に退職する可能性が高く、育成コストを回収する前に組織を離れるリスクがあります。もちろん、起業家精神を全否定するわけではありませんが、組織での長期的な活躍を求める企業にとっては慎重に判断する必要があります。
採用基準3: インスピレーションを重視
最後は直感です。面接の場で「この人と働きたい」と思えるかどうかは、採用判断の重要なポイントです。インスピレーションは、論理だけでは補えない採用成功の鍵となります。
まとめ
採用において重要なのは、「採用8割、育成2割」の方針で人材を確保し、企業文化とのフィット感を重視することです。具体的な採用基準を設定し、目的に合った人材を見極めましょう。
また、合同説明会のブース装飾や採用ツールは、自社の強みや魅力を表現する重要な手段です。これらを最大限に活用して、優秀な人材を引きつける環境を整えましょう。